試聴室常連の地元のお客様、Hさんが「長谷川さんにこれあげる」と先日SONYの同軸16cmのカー用スピーカーユニットを2本持ってきてくれました。
元、車関係のお仕事をされていた方なので、多分解体待ちの車から外してきてくれたものだと思います。
ホーム用のスピーカーユニット、特に16cmクラスは以前に比べれば本当に寂しいくらいの機種しか入手できませんが、カー用のユニットは海外品も含め、多くのメーカーが参入しており、そのブランドも覚えきれないくらい多いです。
それらも選択肢に加えればMMスピーカーの音の世界がずっと広くなるはずです。
SONYユニットの品番はXS−6052です。入力35W、ストロンチュームの強磁マグネット、同軸2WAYで結構ワイドレンジ、MM−151Tに取付けて聴きましたが、低音の入ったCDをかけると唸りのような重低音が音道開口部から出てきます。
カーのユニットは若者向けに十分な低域が出るように設計されているのだろうか?それにしてもMMスピーカーでは今まで聴いたことが無いほどの低音。
カー用のユニットはインピーダンスが4Ω、駆動する300Bは8Ωなので、それも低域の原因と思います。
当社のそのパワーアンプは8Ωと4Ωが差換え出来るように改造してあるので、
4Ωのスピーカーを8Ωのアンプで鳴らしたときと、正規の4Ωで鳴らしたときの音質の違いを聴いてみました。
アンプのインピーダンスより低いインピーダンスのスピーカーにつないだ場合、逆にアンプより高いインピーダンスにつないだ場合は、アンプの負担が変わったり、スピーカーの音圧が変わるだけで「音質的には殆んど変わらない」、と言われる方もおられますが、実際はどうなのでしょう?
丁度良い機会なので試してみました。
最初はアンプを8オームの端子のままつなぎ、低音シリーズ「WOOD」を聴くとウッドベースの低域はやはり凄く、ピアノも力強い。全体的に濃厚な演奏。
ウッドベースの重低音がMM開口部から波動のように出来てきます。
次に4Ωに差換えて同じ曲を聴くと薄いカーテンを1枚取り払ったように、ぱっと鮮明になりますが、想像通り低域は8Ωよりやや少なめ。
ピアノ、バスドラム、シンバルの各楽器のスケールが小さくなり、その分各パートも締まった音になりますが、先ほどのを聴いた後では、迫力という意味で
物足りなく感じてしまいます。この辺は各人好みが分かれるところだと思います。
ゴンチチのアコースティックギターを8Ωで聴くと弦が少し緩く張られた感じで、1本1本の弦が滲んで大きく振るえていて大味。
4Ωにつなげると、全体に静けさを感じるすっきりした演奏に変わり、弦の一本一本の爪弾きに品があり、胴鳴りの余韻も美しく感じる。
弦楽奏も4Ωの方が凛とした静けさを表現し、美しい艶を感じます。こういうアコーススティックな演奏は4Ωの方が好まれると思います。
ところがロックやビートの効いたポップスは全く逆で、8Ωの方が断然良いと感じました。
ブリトニィ、ビーチボーイズ、ケツメイシなどで聴きましたが、シンセのサンプラーのビートが2割ほど力強く、ボーカルも歌い手のメッセージを強く感じ、楽器より一歩前に出て歌います。
ベースギターやリードギターが活き活きし、ドラマーはより楽しそうにスティックを振り廻しています。
その後、4オームに戻すと、急に大人しい感じになり、どうしても先ほどと比べてしまい、物足りない雰囲気。
楽器やボーカルが一列に横並び、平坦な感じで先ほどの元気なウキウキ感が数割減少したように感じます。
こういう電気楽器などのビートの効いた音楽は8オームで聴いた方が断然楽しいようです。多分、この辺は半導体のアンプでも同様だと思います。
僅かの曲を、真空管アンプのみで聴いたので、これが一般的な答えかは簡単に判断できませんが、アンプとスピーカーのインピーダンスが異なった場合、スピーカーから出る音はやはり微妙に違ってきます。
ハード系のロックやポップスなどをもっと迫力ある音で聴きたい、もっと凄い低音が出て欲しい、と望まれる方はカーユニットも是非選択範囲に加えてみてください。
弊社で入手できる範囲の中でバックロードに合う素晴らしいカーユニットをいくつか探してみたいと思います。

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