2台の蓄音機。
訳あって、市内の知人が 2台の古い蓄音機 を持参してくれました。
どちらも 昭和初期に販売されていたらしい、今ではなかなかお目にかかれない貴重な骨とう品です。

両方とも 日本コロンビア製。
写真の左側の蓄音機は、ターンテーブルを駆動するバネが劣化しており、残念ながら修理不能とのこと。一方、右側の蓄音機は保管状態が非常によかったようで、メッキ部分にも錆は見られません。ハンドルを30回ほど回すと、ターンテーブルはとてもスズに回転し、今でも現役で使用できる状態だそうです。

写真では分かりにくいのですが、トーンアームの先端には金属製の針が取り付けられており、この針は 片面が終わるごとに交換する必要があります。
そして、その針の真上にあるのが 「サウンドボックス」 と呼ばれる、実際に音が出る重要な部分です。針がレコード溝から拾った微細な振動を、電気を一切使わず、機械的に直接増幅・振動させて音楽を再生します。
さらに驚いたのはその構造です。
サウンドボックス内で発生した音は、トーンアームのパイプを通って蓄音機内部へ送られ、内部に設けられた空間(BOX)の中で音を響かせる仕組みになっています。
そのパイプは、根元に向かって徐々に拡がっていく形状で、これはまさに ホーン構造 そのもの。写真に写っている黒いコーナー部分はカーブ状になっており、内部で響いた音がここから外へ放射されます。
この音の出口の構造が、当社スピーカーの音道出口とよく似ており、思わず嬉しい親近感を覚えました。
100年近く前の音響技術と、現代のものづくりが、同じ発想の延長線上にあると感じられる瞬間でした。
当日は残念ながら SPレコード盤の用意がなく、実際の音を聴くことはできませんでしたが、また機会がありましたら、ぜひその音についてもご報告したいと思います。
