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ジャズ喫茶メグ試聴会の想い出

※2014年12月31日の記事です。

ジャズ喫茶メグでのイベントは大成功でした。
始まる前にメグの会、会長の中塚さんから「遊び気分で楽しくやりましょうよ。この会はそういう会だから」と言われていた通り、ワインやウイスキーなどお酒をを飲みながら、ワイワイ楽しい雰囲気で試聴会に臨みました。

今回は、UMU-191M、MM-141SとUMU-131XSの3セットを試聴して貰いましたが、UMU-191Mのセッティングを終え、ジャズを流しながら開会を待っていると、店のオーナーでありジャズ評論家として著名な寺島靖国さん寺島靖国 – Wikipedia が入店されました。そして、早々にUMU-191Mの音質を気に入られ「これは面白い音だ!ユニットは何? 値段はいくら?」と矢継ぎ早に質問され、「僕、これ買おうかな?」と言われました。

初めは冗談かなと思っていましたが「良い音、きれいな音のスピーカーならいくらでもある。だから、どのメーカーのスピーカーも皆同じような音がしてつまらない。その点、このスピーカーは今まで聴いたことのない音がする。非常に楽しい!ドラムのブラシが聴こえる。ブラシが聴こえるだけで買う価値がある。でもこの色は嫌だ!黄色がいい。ランボルギーニイエローにして欲しい。」と本当にご注文を頂きました。

多分、寺島さんはこの音を気に入ってくれるだろう、という自信がありましたが、まさか購入までして頂けるとは思っておらず、ジャズに特化したスピーカーとして開発したUMU-191がジャズ評論家に認めて頂いたという嬉しさと、会場満員状態(40~50人位)にウキウキ気分で試聴会を開始しました。

第一部はUMU-191Mのみをジャズで聴きましたが、こちらが用意したCDは殆んど鳴らすことがなく、途切れることなくお客様持参のCDでのリクエストが続きました。その都度、「良いね~、中高音が飛び出してくる!」「ロリンズのテナーが良いね~」などの声が飛んでいました。

時々、司会進行の中塚さんが名指しで皆の意見を求めます。「最初の1曲目を聴いた時、このスピーカーはダメだなと思いました。しかし、2曲目からは皆素晴らしい音で鳴っていると思います。このスピーカーは録音の良し悪しがはっきり出るスピーカーですね」

司会者「今日は皆さん大乗りですね。いつもより熱気があって、大変盛り上っている。このスピーカーの音のせいだと思うが、誰か一人くらいこのスピーカーの悪口を言ってくれる人はいないかな~?」に、寺島さんが「このスピーカーに関して、低音が・・・、とか高音が・・・とか言って欲しくない。スネアドラムが聴こえるだけで、それだけでこのスピーカーの価値がある!本当に今まで聴いたことのない音がする。久々に面白いスピーカーに出会えた」

そこで、前もって寺島さんに依頼していたUMU-191Mの愛称の命名を再度お願いしたところ、「苦手だな~」と一旦は断られましたが、周りから「テラッシーが良い」「ジャズロードは?」「ジャズBLは?」「新潟なんだから、日本酒を飲みながらジャズを聴く。日本酒イメージの名前は?」などの意見に触発されたのか、寺島さんが「Jazz Audio Fan’s Only (ジャズ オーディオ ファンズ オンリー) はどう?」 と提案してくれました。

寺島レコードのジャズオーディオファン専用に作られたCDシリーズの名称が、「For Jazz Audio Fan’s Only」で、その名を使っても良いとのこと、大変光栄なことです。即決でそれに決めさせて頂きました。今後、オーディオニルバーナーSuper8 Cast Frame搭載のUMU-191Mは、「UMU-191M Jazz Audio Fan’s Only」と呼ばさせて頂きます。


毎月行われている会なので、お客さん同士は気心の知れた仲、お酒も廻って冗談が切れ間なく飛び交う。
「これでクラシックを聴いてみたいな」の声で、「僕あるよ」とお一人がクラシックのCDをカバンから探していると、「僕のCD(ジャズ)を先に鳴らしてよ」に、司会者「いや、今クラシックを聴くと言ったばかりじゃないですか!」に、「いいから、このCDを2曲先に鳴らして」に、クラシックの試聴はボツ。
型にはならない、本当に楽しい会が続きました。

第二部はインシュレーター「ティラミス」などのアクセサリーの聴き比べをしました。女性ボーカルで「ティラミス」を敷く、敷かない、で聴き比べしましたが、「音圧が上がったね。ボリュームは変えてないの?」と質問されるほど、「ティラミス」効果を実感して頂けました。

備前焼レコードスタビライザーの「イオンデューサー」は最初水を入れずに聴いてもらい、直後に水を注いで試聴。その違いは明らかで、皆さん驚いておられました。音が瑞々しくなった、という感じでした。

私「この備前焼は日本で一番硬い焼き物で、細かい気泡がある。それが音に反映するのですが、これにワインを注いで数分するとまろやかな味になる。なので酒の器としても使える。これが本当の‟飲酒レーター”・・・」に会場爆笑。

私「ちなみに、水の代わりに酒を入れて聴くと音が変わります。焼酎が一番良い音だと、実験された方から聞いています」に、「本当にやってみようよ!」ということになり、テーブルから会員飲みかけのバーボンのボトルを取り上げて「イオンデューサー」に6分目位注いで実験。
女性ボーカルでしたが、その声の変わり方に会場大受け!「お~、声が色っぽくなったよ!」。確かにそういう感じに聴こえました。「もっと、色んな酒で比べてみようよ!」、には賛同者はいませんでしたが、「全て波動だから変わるんだよ」と、アクセサリーメーカーの社長さん。

その、注いだバーボンを誰が飲むのか?で、また盛り上がって、言い出しっぺの方が指名され、「飲め!飲め!」の声に一気飲み。
この頃になると、ご自分のボトルをほぼ空にされ、ろれつの廻らない方も・・・。

終盤、UMU-131XSを鳴らしましたが、右側のスピーカーからビビり音がして音出し不可能。数名が出てきて原因探し。スピーカーの左右を入れ替えても右側がビビるので、原因はアンプだろうとアンプや配線関係をいじり始めたが、司会者が「今は原因を究明している場合ではない。時間がないから、このスピーカーは止めにしよう」と、ストップが掛かりました。オーディオ評論家の林正義先生も個人として参加されておられましたが、「これは僕の好きな音だ!両方で聴いて気に入ったら買おうと思ったが、片側では解らない、残念!」。この小型スピーカーもぜひ聴いて欲しかったのですが、本当に残念でした。
再度、UMU-191Mを聴いてもらいましたが、やはり右側が歪んでおかしい?(パワーアンプの真空管の劣化と後で解りました)

10時に閉会でしたが、1時間ほどかけて機材を片付け、隣の中国料理店で幹事さんたちと打ち上げ、その席でお一人の会員さんからも、やはり黄色のUMU-191Mをご注文頂きました。終電ギリギリの深夜1時近くの電車でホテルに帰ったのですが、夢のように楽しかった時間の余韻で中々寝付かれませんでした。
本当に充実したイベントでした。メグの会、関係者に心より感謝いたしております。

2015/3/7  寺島靖国様オーダーの黄色い UMU-191M Jazz Audio Fan’s Only が 無事納品できました。

昨年の暮れ、ジャズ喫茶メグでの試聴会において、ジャズ評論家であり、この店のオーナーでもある寺島靖国さんから
オーダーを頂いておりました黄色い特注のUMU-191M Jazz Audio Fan’s Onlyがお約束より1月ほど遅れて完成しました。

最初はフェラリーのカウンタックイエローを指定されましたが、最終的には先生のご自宅にある特注色アバンギャルドの
黄色と同じ色の指定になりました。
avantgarde「G2」試聴レポート – Phileweb特別レビュー

エージングのため完成後に暫くお預かりしましたが、このとおり試聴室がパッと明るくなりました。
PCモニターでは同じ色を再生できないみたいですが、実際は画像よりもっとまぶしく派手な色です。

縦の溝を無くしてほしいというご要望にお答えして、積層板の合せ目をパテで埋めて仕上げました。
艶あり塗装がご希望だったのでウレタン黄色の上から透明ウレタン塗装を上塗りました。
今までの経験では艶あり塗装にすると音が少し丸く艶やかな感じになります。
そのことをお話ししてありますが、見た目も大切だからと艶ありでご希望されました。

試聴してみると、やはり定番のUMU-191Mに比べて、明るく艶やかな感じで、同じジャズでも都会的でオシャレな演奏に聴こえます。
低音にも太い芯が加わりました。女性ボーカルもまろやかで素敵です。

厳重に梱包し、先日ご自宅へ納品させて頂きましたが、近日、またオーディオ誌などにレポートを書いて頂けるそうですので楽しみです。

暫く預からせてらった黄色いスピーカーがいなくなった試聴室はどこか寂しくて物足りません。
パーティの最中に一番の美人が帰ってしまったような、一抹のわびしさを感じます。

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